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2009年8月 9日 (日)

うしろにいるよ

Hさんといえば、学生時代にこんなことがあった。
部屋でひとり、受験勉強をしていた。そろそろ日付が変わろうという時刻だった。
とつぜん声をかけられた。
「うしろにいるよ」
ささやくようなかぼそい声、しかしはっきりそう聞こえた。
そこは六畳の和室、いるのはHさんひとりのはずだった。両親は一階で寝ていたし、隣室を使っている弟は、部活の合宿でその夜は不在だった。
つまり二階にいるのはHさんだけだった。
にもかかわらず、その声ははっきりと聞こえた。うしろにいるよ、と。いったいうしろになにがいるというのか。それはなんのためにうしろにいるのか。考えれば考えるほど、Hさんはおそろしくなってきた。
ちょっとでも動こうとすれば背後から肩を叩かれそうな気がして、けっきょく朝まで机にかじりついたままだったという。

KWAIDANシリーズ.....


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